思い描いた夢 その5

見せていただいたその建物は、「心月庵」を少しだけ小さくしたような間取りでした。

残念なことに、畳であっただろうところにフローリングが敷かれてありましたが、

グレーの漆喰壁や階段の手摺、硝子の建具、表の格子窓、木製の天井と扉・・・などなど、

萌えポイント満載で大はしゃぎでした。

ただ、数ヶ月前に起こった「熊本地震」で、2階の中央にある欄間が少し落ちていました。

でも、妄想は膨らむばかり。

多分、その時の私は、地に足が着いていない状態だったと思います。

現実的思考は皆無でした(笑)。

 

そんな状態だったにも関わらず、

以前宿泊した「心月庵」に似た間取りだったこともあり、彼女も容易に想像出来た様で、話を進めることに。

 

・・・とは言っても、何から始めればいいのかさっぱり分かりません。

でも、改装工事が必要なことはわかります。

とりあえず、自分の得意なところから始めることにして、以前勤めていたハウスメーカーの同僚に相談することにしました。

そもそも改装するのにどのくらいの金額が必要なのか、その他、必要なお金は何なのか?

それらのお金はどうやって調達するのか・・・。

何もかも分からなかったのです。

 

結論から言うと、思いもよらない理由でその物件は諦めざるを得ませんでした。

友人の設計士、現場監督経験者、元上司に現場確認してもらい、おおよその金額を出してもらいました。

反対されたにも関わらず話を進めようとして、その建物のオーナーさんに会えるようにお願いしました。

賃貸物件だったので、改装工事をしていいのかなど、いろいろと確認がしたかったのです。

不動産屋さんから問い合わせてもらった結果、

「この建物を宿として使用することは不可」とのお返事でした。

「宿として使用不可」というより、夜に人が居る、一晩過ごす、ということがダメだと言われたのです。

とても根本的な話だったので、「 え??? 」という感じでした。

 

不動産屋さ~んっ!!それはないですぅ!!そこ、事前にわかっておいてくださ~いっ!!

 

私の宿計画に不動産屋さんもノリノリだったので、まさかの理由でした(笑)

でもこのことで、次の物件が現れるのです。

 

もちろん、まだまだ続きます。

 

女将 かおる